いぐべし東北

Let's go tohoku !

温泉に入りたい。そうだ、青森の恐山に行こう

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青森のディープスポット恐山ですが、実は温泉があることを知っていましたか?

しかも宿泊もできるのです。

よし、恐山に行ってみよう!

 

 

 

 

恐山へ電話予約する

 

じゃらんなどの旅行サイトでは予約できないので、まずは宿泊の電話をします。

ドキドキしながら電話をすると、

 

「はい、恐山です」

 

恐山の宿坊に電話かけると恐山だとちゃんと名乗ってくれるんだ~、とわけのわからない感動をしつつ宿泊予約したい旨を告げると、宿泊の担当さんにつないでくれます。

 

担当の方は慣れた様子で日時と到着時間、宿泊日数をきかれるので答えます。

 

もしかして混んでて泊まれないかも?ときいたら「泊まれますよ」とあっさり言われた。

 

紅葉も過ぎた10月の後半だったのでそんなに混んでいない模様。

 

恐山へ向かう

 

この時は台風が近づいていましたが、現地まで車で向かいます。

ちなみに下北駅からバスも出ています。

下北交通のその名もズバリ、恐山線

 

mb.jorudan.co.jp

 

バスの方向幕には「恐山」とあり、異界感が半端ないです。

なんだかあの世に連れて行かれるみたい。

 今回バスに乗らないのが残念です。

 

さて、山の中に入っていくとだんだん人気が少なくなり、ポンコツカーで勾配のきつい道をえっちらおっちら登っていくと、不意に開けた場所に出ます。

 

ついに恐山に到着です。

 

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16時ごろについたのであたりは薄暗くなっており、折からの天気の悪さで重たい雰囲気です。

 

車は敷地外のじゃりに停めます。駐車料金は不要です。

宿坊に入るにあたり、敷地の入り口で入館料500円を払う。

 

これを払わないと敷地内にある宿坊にもたどり着けません。

 

日本よ、これが恐山の宿坊だ

 

宿坊は広かった。人の気配もなく静かだった。

そして綺麗だった。

なんだこのきれいなホテルは、と思いました。

 

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本当にここは宿坊なのか?

 

イメージの中にある古びた宿坊とはまったく異なります。

 

半信半疑で泊まる部屋に行くとこれまた広い。

 

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10人は余裕で泊まれそうです。

トイレも洗面所も備えられています。

TVはありません。

 

宿坊はホテルではありません

 

宿泊するときに気をつけなければならないこと、それは「ここはホテルではない」ということです。

 

ここにはTVもなく、wi-fiもなく、携帯キャリアの電波の入りも悪いです。

快適空間を満喫するのではなく、恐山の宿坊に泊まるという体験をするのです。

 

 気をつけたい主な事項

  1. 夕食は午後6時、朝食は翌朝7時半。その際は自服(浴衣禁止)で浴衣は夕食後着用。
  2. 「朝のお勤め」は午前6時半。つまりそれまでに起きなくてはならない。
  3. 食事時の飲食(お酒等)は出されたもの以外は禁じられいるが、部屋での飲食は自由。
  4. イオウ成分が目に影響する場合がある。温泉の湯で顔を洗ったり、湯を頭から浴びたりするのは危険。

 

恐山の食事

 

さて、お楽しみのごはん。夕食は食堂に集合していただきます。

この食堂というか講堂は300人くらい収容できる広さです。

その中に、宿泊者が固まって座ります。

 

天候の悪さと11月に閉山するということもあり、この日の宿泊者は自分を含めて8人だけ。

空間を思い切りもてあましました。

 

お食事おいしかったです。いちにさんはガッツリおわかりしました。

食事の写真を撮りたかったのですが・・・無理でした。

 

撮影禁止というわけはないのですが、誰一人は話さない静寂の中で、とても写真を撮れる雰囲気ではありません。

ほかのブログで写真を撮られている方のメンタルの強さに頭が下がります。

 

夕飯時に使用したお箸は部屋に持って帰り、朝食でも使用します。

そして、このお箸は自宅へ持ち帰ることができます。

 

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 恐山はお風呂が最高

 

宿坊内の大浴場の温泉がまた広い。宿泊者が少ないから独り占めです。

PH3未満の酸性泉で湯船の底には泥があります

つい顔を洗いたくなりますが、ガマン。

 

ちなみに、周囲の火山帯から湧き出るガスで家電製品は軒並みダメになってしまうそうです。

だからTVがないんだ。

 

ということで脱衣所のドライヤーは袋に入っていました。

 

今回は入りませんでしたが、雰囲気のある外湯もありますので次回はぜひ入りたいです。

 

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恐山の朝はお勤め

 

携帯も通じないし、TVもないし、枕投げする友達もいないので夜は早々に寝ます。

そうすると次の日無理なく6時に起きれました。

 

宿泊者が地蔵堂に集っての朝の読経。

この時に宿泊者は名前を呼ばれ、家内安全的なことを祈祷していただけます。

 

ありがたや、ありがたや。

 

この祈祷は無料、とういうか宿泊費に入っています。

 

この時お坊さんの中でひときわ背の高い方がいらっしゃり、あとで「刺さる言葉」の作者だと気がつきました。

 

刺さる言葉: 「恐山あれこれ日記」抄 (筑摩選書)

刺さる言葉: 「恐山あれこれ日記」抄 (筑摩選書)

 

 

「刺さる言葉」は宿坊の部屋にあるので、時間がある方はぜひ読んでみて下さい。

エッセイ風で読みやすいです。

師よ!というくだりが自分は好きです。

 

 

宿泊者のみ閉門後の敷地内を歩ける

 

開門中の恐山には観光客が多く訪れますが、宿泊者は閉門後と閉門前の静かな時間を堪能することができます

 

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敷地内は自由に歩けます。

隅々まで歩けば1時間以上はかかります

この静かな時間を体験するだけでも宿泊する価値があります。

 

まとめ

 

記事の中でも少し触れましたが、恐山は冬季閉山します

 

10/31~4月(開山時期は積雪状況により不定期)が閉山で、観光客どころか、お坊さん方も皆さん下山します。

宿泊受け入れは10/27頃にストップの可能性がありますのでご注意ください。

 

そして、もしかしたら気になっている方もいらっやるかもしれませんので最後に付け加えますと、怖い体験は一切ありませんでした。

 

いちにさんは霊感ゼロです。

不気味な怖さとか得体が知れない恐ろしさ、というのもなかったです。

 

ただし、この世とはちょっと違う場所だなと思いました。

 

恐山ではこの世とは異なる場所、まさに異世界を体験することができます。

なおかつ意外に快適な恐山を、どうぞ恐れず訪れてみてください。